体外受精や顕微授精などの不妊治療費を安く抑える8つのテクニック

妊娠    

赤ちゃんを授かるために不妊治療を行いたいけど、高額な治療費がどうしても気になりますよね。

体外受精や顕微授精などの不妊治療費を安く抑える8つのテクニックをぜひ参考にしてください。とくに自治体によって違う助成金には注目です。

不妊治療にかかる費用は平均140万円!

不妊治療から妊娠までにかかった費用の平均金額は140万円と言われ、かかる期間は24~35ヶ月。高額な費用がかかる上に長期的な治療になることがわかっています。

不妊治療の主な種類と1回にかかる費用、その妊娠率はこのような内容となっています。

治療法 費用/回 妊娠率/回
タイミング療法 5,000円~1万円 3%
人工授精 1万8,000円 6~11%
体外受精 30~40万円 32~42%
顕微授精 40~50万円 36~46%

費用については病院・クリニックによって違います。また、この不妊治療を行う前には必ず検査を行うことになっています。

不妊検査

不妊検査にかかる費用は女性なら約2~3万円、男性なら約8,000円~となっています。この差は女性の場合は検査回数が2~3回かかるケースが多いために男性より高くなっています。

女性の不妊検査で主に行われる内容はと費用は次のようになっています。

  • 血液検査:約2,000円・・・ホルモンの数をチェックする
  • 卵管造影検査:約8,000円・・・卵管の詰まりを検査する
  • フーナー検査:約4,500円・・・精子と卵子の相性を調べる

男性の不妊検査はこのような内容となっています。

  • 精子検査
  • 睾丸検査

主に精子検査のみを行うことが多いですが、この2つの検査を行った場合の検査費用は平均8,000円となっています。

夫婦の検査の結果を踏まえて不妊治療の開始が認められます。

タイミング法

不妊治療の必要性が認められたら、まず行うのがタイミング法です。タイミング法にかかる費用は1回につき約5,000円~1万円。ただし一部が保険適用となるので数千円の治療費となる場合が多いです。

タイミング法の治療内容は、基礎体温をもとに排卵日を特定をして自然妊娠を目指す方法です。

エコーによる超音波検査で排卵のタイミングを確かめるため、1回の超音波検査につき約1,500円~6,000円。そのほかにも血液検査やホルモン療法を行うことも多いです。

人工授精

人工授精は採取した精子を排卵期を狙って子宮の中に注入をする方法です。自然妊娠とほぼ変わらない状態を人工的に行うものです。

1回にかかる費用は約2万円であり保険適用外です。

体外受精

体外受精になると1回30万円以上の費用がかかります。

採卵した卵子を培養液の入ったシャーレの中で精子と受精させ、受精卵を子宮に戻す方法です。卵子を取り出すことと卵子を培養させる2人の培養士のもとに行われるということで高度な技術が必要なため、このような費用がかかります。

顕微授精

顕微授精は卵子と精子を取り出すところまでは体外受精と同じですが、自然受精を待つのではなく人工的に顕微鏡を使って受精をさせる方法です。さらに受精卵を再び体内に戻して着床をさせることで妊娠成立となります。

高度な技術を要すること、日数がかかることを踏まえて1回にかかる費用が40~50万円以上となっています。

早期に発見をして費用を抑える

いざ妊娠を希望したときに不妊体質だとわかり、治療を始める時の年齢によっても妊娠率は変わります。年齢が上がるとともに妊娠率はこのように下がってしまいます。

年齢(歳) 妊娠率
25 25~30%
30 25~30%
35 18%
40 5%
45 1%

35歳を過ぎると妊娠率は大きく下がってしまいます。不妊治療を始める平均年齢は33歳と言われていますが、多くの人は妊娠を希望した時に自分の不妊に気づくものです。

若いうちから定期的な婦人科健診を受けておくことで早期発見することができ、不妊治療の開始も早くから行うことができます。日ごろから基礎体温をつけるだけでも異変に気づくことができます。

早期発見をすることで治療に取り組める時間も余裕ができ、高い費用がかかる高度な治療を行わずに済むケースも多いです。

最大90万円の助成金をしっかりと受け取る

不妊治療に取り組む方は地方自治体から助成金を受け取ることができます。申請をすることで最大90万円の助成金を受け取ることができます。

平成28年4月から助成制度の見直しにより、通算助成期間が5年以内だったものが上限なしへと変わりました。より長期的にな治療が受けられるようになっています。

不妊治療の助成金の対象者

  • 特定の不妊治療が必要と診断された婚姻している夫婦
  • 治療を開始した妻の年齢が43歳未満
  • 夫婦合算の所得が730万円以下

夫婦とは婚姻届を提出しているものとしています。

また、助成金を受けるには指定された医療機関での治療をしていないと対象外となります。そのほかには、市税などの未納がない人が対象者の条件となっています。

助成金の申請はお住まいの自治体に行うこととなります。

適用される治療内容

  • タイミング療法
  • 排卵誘発法
  • 人工授精
  • 特定不妊治療(体外受精・顕微授精)

このほかの保険診療の一部負担金や入院費、食事料、文書料、消費税は対象外です。

助成回数

1年につき1回(上限5回)まで、1回の助成金は15万円までとなっており、初回の助成では30万円まで受け取ることができます。

2回目以降は1回15万円となっており、最大5回まで受け取ると最大90万円の助成金を受け取ることができます。

ただし、年齢によって助成回数が変わってしまいます。

  • 40歳未満は6回まで
  • 40歳以上は3回まで

このようになっており、40歳以上になると半分の3回までに減ってしまいます。

最高は全額助成!地方によってこんなに違う助成金の金額

助成金の金額は自治体によって大きな差があります。厚生労働省が定めた金額にさらに上乗せされることがあるのでまずはお住まいの自治体ではどのような制度が設けられているのかを確認しましょう。

オリジナルの助成制度を設けている自治体の中でも金額が高い順にご紹介します。

1位 北海道東川町・・・不妊治療にかかった費用の全額を助成

2位 岩手県宮古市・・・年間100万円まで

3位 石川県能美市・・・年間80万円まで

4位 石川県川北町・・・年間70万円まで

5位 長野県松川町・・・年間50万円まで

北海道東川町はなんと全額を町が支援してくれるという驚きの制度を設けています。東川町の住人であれば第二子まで援助をしてもらえる上に、プライバシーの配慮のために指定医療機関が代理申請を行ってくれるとか。

以降の自治体においても最大5年まで助成金を受け取ることができます。過疎化対策として行われていることが多いです。

助成金が半額になるケースもある

体外受精や顕微授精を1回行うごとに受け取れる助成金は15万円(初回は30万円)ですが、途中で治療を終了した場合や以前に凍結した胚(受精卵)を移植する場合は半額の7.5万円になります。

治療ステージによって助成金が上乗せされる自治体もある

たとえば、東京都なら治療ステージによって5~10万円が上乗せされます。

  • 治療ステージA(新鮮胚移植を実施)・・・国から15万円+東京都5万円=20万円(初回30万円)
  • 治療ステージB(凍結杯移植を実施)・・・国から15万円+東京都10万円=25万円(初回30万円)

このような独自の助成を行う場合があります。

同じ都内でも助成制度がこのように違います。

  • 世田谷区・・・1回につき5~10万円の上乗せ
  • 杉並区・・・1回につき2.5~5万円の上乗せ
  • 港区・・・東京都からの助成金のほかに、1年間で最大30万円を5年間まで受け取り可能。所得上限なし。

それぞれ細かい金額の差や条件が異なるので、わからない場合はお住まいの自治体へご相談ください。

初回の不妊検査は夫婦一緒に!根本的な原因を一気に調べて治療費を抑える

ご自分が不妊ではないか?と思った時、女性1人で病院へ向かうことが多いですよね。実はこの初回の不妊検査を夫婦一緒に行うだけで治療費が大きく抑えられる可能性があります。

その理由は、不妊の原因は男性も50%あるからです。女性側だけの問題ではないということをまずは理解しましょう。

妻側に原因が見つからないまま治療を進めている中、結局夫の方に根本的な原因が見つかることはとても多いです。それなら最初から一緒に検査を行うべきではないでしょうか。

最初に行ってしまえば今後何度も行く手間も省けます。さらに男性の不妊検査は10分程度で終わります。

どうしても病院へ行くことが苦痛な場合は家庭で検査キットを使う方法もありますが、できる限りは一緒に病院へ行きましょう。夫婦の問題として受け止めるべきです。

費用が提示されているクリニックを選ぶ

不妊治療の金額は病院やクリニックよって金額が変わってしまいます。最近ではホームページに治療費の金額がはっきりと提示されるようになっているので、あらかじめどの程度かかるのかを見比べておきましょう。

中にはカウンセリング60分無料というクリニックもあります。医師の考え方によって治療の進め方が大きく違う場合が多いので、希望に合う医師を探すことも大切です。

保険が適用される治療のみで行う

不妊治療への考え方はその人その夫婦によって違います。また、年齢や体の状態によっても異なります。

高額な治療を行わずに保険が適用される範囲で治療を進めることも十分可能です。タイミング法なら保険が適用されるのと、自分のホルモンの状態や排卵日を知るよい機会にもなります。

治療費について医師とよく話し合う

不妊治療を始めるに当たってどのような治療内容を行うのか、医師と話をすると思います。その時に総額はどのくらいの費用がかかるのか、それ以上の費用がかかる可能性があるのかをしっかりと聞きましょう。

納得ができなかったり、医師と考え方が違うと感じた場合は別のクリニックを探すこともできます。

高額な治療内容を提示されてもその場で即決をせず、夫婦でもう一度よく話し合ってみてください。周りの人の意見を参考にするのも大切です。

早期に高い医療水準のクリニックへ切り替える

大きな身体的、精神的負担を感じることが多い不妊治療。つらい状態で治療を続けることに疑問を感じたら、より医療水準の高いクリニックを探してみることも妊娠への近道となります。

ここでポイントなのが、妊娠成功率が高い、カウンセリングができる、治療費が提示されているクリニックを探しましょう。

不妊治療は長くなればなるほど、金銭的にも苦しくなります。早い決断が妊娠へのカギになる可能性もあります。

不妊治療をクレジットカードで支払ってポイントを得る

大きな金額の不妊治療費をクレジットカードで支払うことで大きなポイントを獲得することができます。ただし、病院やクリニックがクレジットカード払いに対応しているのかあらかじめ調べておきましょう。

また、限度額についても注意をしましょう。楽天カードなら最大限度額は100万円となっています。

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確定申告をして還付金を受け取る



不妊治療にかかった費用は確定申告をすることで還付金を受け取ることができます。

1月から12月までの1年間にかかった医療費の合計金額から10万円を差し引いた金額が医療費控除として申請できます。

医療費控除額=(医療費控除の対象になる医療費-保険金等で補てんされた金額)-10万円(総所得200万円未満の人は総所得金額等×5%)

医療費として申請できるものは、不妊治療の検査や薬代を含む費用、治療のための交通費なども含まれます。

そのほかにかかった医療費も全て合わせることができるので、領収書やレシートは必ず保管しましょう。

いかに卵子の質を高めるかがカギ

なんらかの原因により不妊となってしまい、不妊治療を続けることは簡単なことではありません。薬の副作用に悩むことも多いかと思います。

卵子がよい状態になるように治療をすすめているかと思いますが、自分で努力できることもあります。

運動や生活習慣の見直し、抗酸化作用のある食材の摂取、サプリメントや漢方薬の常用などを行うことで少しでも妊娠への近道を目指しましょう。

まとめ

不妊治療は気になるけど高額だからと諦めてしまう方も多いですが、助成金を申請することで負担を減らすことができます。

自治体によって助成金の金額が大きく異なるので、取りこぼしがないかしっかりと把握をしましょう。

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